会社から給料日前にお金を借りる方法

冠婚葬祭が重なって今月は苦しい、飲み会が多かったからお給料日までお金が持たない、どうしても必要なお金があるがローンを利用することができないなど、何らかの理由で次のお給料日までにお金がないという状況を経験したことがある人もいるのではないでしょうか。そんな時にお金を工面するために思いつくのが前借りです。

 

勤めている会社からお金を借りているという人の話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

 

ではお給料日前に会社から前借りをすることはできるのでしょうか

 

会社からお金を借りることは可能!

会社からお金を借りることができるのかという疑問に対しての答えですが、結論から言えば、可能です。ただし、これから働くことを前提にして給料を先渡しするという概念ではなく、これまでに働いた分の給料を指定の給料日より前に支払うという概念です。

 

ただ単純に前借りとだけ言えば、特に法令で定められているわけではないので、会社は必ずしも前借りに応じなくてもいいのですが、例外として労働者自身もしくは労働者の配偶者が出産する場合、労働者やその家族が急な事故や病気で入院した場合、高額な治療を受けることになった場合、地震などの予期せぬ災害で家屋などに甚大な損失を受けた場合、親族に対してやむを得ない出費が必要になった場合は、会社は前借りに応じる必要があります。

 

これは労働基準法第25条によって定められているものです。この他の理由に関しては、特に法令で定められているわけではないので、前借りに関しては会社の裁量次第となります。

 

会社からお金を借りる際の注意点

会社から前借りをする場合、気をつけなければならないのが、働いていない分に関しては借りることができないということです。あくまでも既に働いた日数分の給料しか受け取ることができませんし、働いていない分の給料を会社が貸してしまうと強制労働となり法令違反になってしまう可能性があります。

 

また前借りができない場合でも、会社には貸付金制度という福利厚生があるところがあります。労働者が金銭的なトラブルや悩みを抱えないように会社がお金を貸し付ける制度のことであり、安心して働いてもらうための福利厚生の一貫となっています。給料の前借りができなくても貸付金制度があれば、会社からお金を借りることができます。

 

中小企業には貸付金制度がない場合もある

給料の前借りができないのであれば、会社からお金を借りることができる貸付金制度を利用することができるのですが、残念ながら中小企業の中には貸付金制度がない会社もあります。中小企業の定義は職種によって違います。

 

例えば小売業であれば資本金の額または出資の総額が5千万円以下、常時使用する従業員の数が50人以下の企業を言います。

 

サービス業であれば資本金の額または出資の総額が5千万円以下、常時使用する従業員の数が100人以下の企業を言います。

 

会社の貸付金制度は従業員貸付制度、社内貸付制度と呼ばれています。自分が働いている会社の福利厚生に貸付金制度がないという人もいるでしょう。

 

中小企業の場合は大手企業に比べると資本自体が十分にあるというわけではありません。近年では雇用の安定を図るために中小企業でも貸付金制度を行っているところも増えてきていますが、大手企業に比べれば少ないのが実情です。自分の会社に貸付金制度があるかどうか上司や経理に確認してみましょう。

 

貸付金制度が利用できるのは正社員のみ

勤めている会社に貸付金制度がある場合、ほとんどの会社は制度の利用して会社からお金を借りることができるのは正社員のみとしています。

 

会社の中には、正社員の他に契約社員、派遣社員、パートやアルバイトなど様々な雇用形態で働く人がいるのですが、貸付金制度の第一条件を正社員としている会社がほとんどです。正社員の場合、他の雇用形態で働いている人に比べて労働時間が長い、雇用期間が長いなどの違いがありますが、会社と期間の定めのない雇用契約を結んでいます。

 

特別な事情がない限りはその会社は定年まで正社員を雇い続けることが前提となっています。こういった理由から返済期間を設けても返済をしていくことができる正社員のみ会社の貸付金制度を限定している会社が多いと言えるでしょう。

 

雇用形態の他にはその人の年収や必要な金額、ボーナスの支給が近いかどうかなども審査に関係してきます。この他にも日頃の勤務態度や会社の経済的な余裕なども関係してくるでしょう。貸付金制度は基本的には正社員のための福利厚生であると考えてよいでしょう。

 

勤続年数に注意

正社員であれば社内で貸付金制度を利用して会社からお金を借りることができる可能性が高くなります。ただし正社員であることに加えて重要な要素となるのが勤続年数です。勤続年数はその会社で自分がどのくらいの期間で働いているかですが、貸付金制度を設けている会社の大半は正社員で5年以上勤めている人が対象になっています。

 

一般的なカードローンの審査では、勤続年数が半年から1年だと不利になってしまうので、1年以上あることが望ましいのですが、会社の場合は5年以上なので厳しいような気もします。また5年以上、10年以上と勤続年数によって借りることができる金額が異なる会社も多いので、必要な金額と自分の勤続年数が見合っているか確認しておきましょう。

 

2面倒な手続きに注意

会社の貸付制度を利用する場合は当然ですが借用書を書くことになります。借用書は後々のトラブルを防ぐためにも大切なものなので、必ず作成するようにしましょう。

 

一般的なカードローンの場合、申込みが完了すると与信審査が行われ、審査が可決されると契約、融資の実行となります。消費者金融であれば最短で30分から1時間で融資までを行うことができるスピーディーさがあり、近年では銀行や信販会社でも即日融資に対応しているところが増えてきています。

 

お金を借りるための手続きが簡単で、時間も短くて済むのでとても便利に利用することができるのですが、会社からお金を借りる場合に利用する貸付金制度は手続きがややこしく、面倒に感じることも多いです。

 

会社の貸付金制度を利用する際には、まずは自分が所属している部門長やその上にいる役員、そして社長の許可を得る必要があります。貸付金制度に申し込むと、社内で審議にかけて、日頃の貢献度やお金が必要な理由、借り入れ希望額などによって融資するに値する人かどうかを審議します。

 

許可が下りればその後返済方法や返済期間、利息などの話し合いをすることができるのですが、会社には様々な業務があり、審議だけをやっているわけではないので、1人の社員に対する貸付金制度の利用するために時間を割くというのは難しく、早い会社でも1週間程度、一般的な会社だと2週間から3週間ほどかかります。

 

申請から融資が実行されるまでに2、3週間もかかってしまうと計画が崩れてしまうという人もいるでしょう。そんな時は、まず消費者金融などのカードローンを利用してその場をしのいでから会社の貸付金制度の融資を待つという方法もあります。

 

個人間や金融機関からお金を借りる際には借用書を作成することで後々のトラブルを防ぐことができます。これは会社からお金を借りる場合も同じです。会社の貸付制度を利用する場合は当然ですが借用書を書くことになります。借用書は後々のトラブルを防ぐためにも大切なものなので、必ず作成するようにしましょう。

 

借用書は正式名称を金銭借用書と言い、金銭借用書を作成することでお互いが同意した契約内容を形に残すことができます。

 

ネットで簡単にダウンロードできるテンプレートもありますし、文具屋などで購入することもできます。また会社の貸付金制度の場合は既定の借用書がある場合もあります。金銭借用書には、借りた金額、借りた日時、貸した人の名前、住所、電話番号、捺印、返済期限、返済方法、金利を設定する場合は金利について、万が一返済不能に陥った場合にどうするのか、また返済中に退職をした場合には返済はどうするのかなど細かく取り決めを行った内容を書いておきます

 

借りた人の名前、住所、電話番号、捺印、そして連帯保証人がいる場合は連帯保証人の名前、住所、電話番号、捺印が必要になります。ただし、金銭借用書には法的な拘束力はなく、覚書程度のものです。拘束力を持たせるためには公正証書を使用することで法的な執行力を持たせることができます。

 

会社の貸付金制度を利用する場合、最大のデメリットとなるのが連帯保証人が必要になる点です。会社からお金を借りるために連帯保証人が必要なの?と疑問に思う人もいるでしょう。連帯保証人の有無は会社や借りる金額によって異なるのですが、家族の誰か、同僚などを連帯保証人として立てなければなりません。万が一本人が返済ができない場合には連帯保証人が本人に代わって負債を背負うことになります。

 

また労働組合が会社と本人の間に入ってくれる場合は民間の保証会社と契約している場合もあるので連帯保証人の代わりにすることができます。消費者金融や銀行のカードローンは、基本的には無担保無保証のローンなので会社の貸付金制度に連帯保証人が必要になることに違和感を抱く人もいるでしょう。

 

また貸付条件として気になるのが利息ではないでしょうか。カードローンの場合であれば年率14.5%から18.0%となっています。会社の貸付金制度を利用した場合は、無利子としている会社が多いです。もしくは銀行のカードローンよりも低い金利で、公的な融資と同じぐらいの金利に設定している場合もあります。

 

会社の貸付金制度は低金利で借りることができるので魅力ですが、融資までの時間やそれに伴う手続きを考えるとカードローンの方が効率的と感じる人も多いのではないでしょうか。

 

目的によっては借りられない事も

会社の貸付金制度の場合、貸金業者や銀行のように信用情報機関に問い合わせて過去の返済履歴や金融事故があるかどうかなどを調べられることはありません。ですから総量規制を超えていても借りることができる可能性はありますし、過去に破産や債務整理をしたことがある人でも普段の勤務態度が真面目、正社員である程度の勤続年数があれば借りることができる可能性もあります。ただし多くの会社は貸付金制度があっても利用の目的は限られています。住宅ローンは住宅購入のためにしか利用することはできませんし、車のローンは車を購入するためにしか利用することはできません。

 

また生活福祉資金制度などの公的な融資制度も明確な理由やそれを証明する書類などがないと融資を受けることはできません。これに対してカードローンの場合は事業資金でなければ自由に利用することができます。会社の貸付金制度はどのような目的であれば借りることができ、どのような目的だと借りることができないのでしょうか。

 

会社でお金を借りる場合に利用することができる貸付金制度は使用用途としてケガや病気などの緊急時、教育資金、資格取得、災害など緊急を要する場合のみとしていることがほとんどです。つまりこれ以外の使用用途では会社から借りることができないことがほとんどです。

 

例えば、家族で海外旅行に行きたい、趣味でバイクや車を買いたい、ギャンブルの元手にしたい、住宅ローンの返済に回したいなど、こういった理由では借りることはできないと思ってよいでしょう。

 

会社の貸付金制度はあくまでも、労働者が金銭的な悩みを抱えず安心して働くことができるように支援するものであり、自己都合で自由に借り入れをすることができるものではありません。また、会社によっては病気療養資金や教育研修資金など、目的によって制度を設けているところもあります。

 

自分が希望する額、理由で借りることができるかどうか、申請をする前にしっかり考えましょう。明らかに認められないような理由で申請をしてしまうと会社からの信用をなくしてしまう可能性もあるので注意しましょう。

 

返済が遅れてしまうと…

ケガや病気の療養のため、教育資金、資格の取得など、認められている理由で貸付金制度の申請をしても、制度は福利厚生の一貫なので昇進に響いてしまうようなことはありません。会社からお金を借りるために貸付金制度を利用した場合、最も気をつけなければならないのが、返済についてです。

 

もし万が一、会社から借りたお金の返済が遅れてしまったらどうなるのでしょうか。当然のことながら、遅延や延滞をすれば評価や昇進に影響します。そして連帯保証人がいる場合は、連帯保証人にも連絡が行きます。これはなんとしても避けたいものです。

 

また会社の貸付金制度の場合、返済は毎月の給与から天引きにすることで返済の遅延や延滞を防ぐことができます。ですが、貸付金制度を利用してお金を借りると翌月の給与から返済分が天引きされてしまうので、翌月の生活費が減ってしまうというデメリットがあります。家賃や光熱費、通信費など固定費を支払ったら何も残らないという状況も起こりうるので、返済計画はしっかり立てるようにしましょう。

 

また万が一、会社から借り入れを行っている途中で退職をした場合は一括で返済することになります。退職するのは本人の自由であり、法律的には2週間前に退職願を出すことで退職することができるのですが、一般的には引き継ぎなどもあるので最低でも1ヶ月前には退職願を出す人がほとんどです。

 

ですが貸付金制度を利用している状態であれば、当然ですが一括返済を求められます。就業規則に退職金が定められていれば、退職金から返済をする、退職金で相殺するなどもできますが、退職金そのものがない場合は別でお金を工面して返済をしなければなりません。

 

無断で退職をした場合は当然のことながら連帯保証人に連絡が行くことになるでしょう。ですから会社の貸付金制度を利用する場合は、完済するまでしっかり勤めることができるのかも考えて利用しなければなりません。

 

条件次第で会社に貸付金制度があればお金を借りる事できる!

会社でお金を借りることができる貸付金制度は正社員であること、勤続年数は5年以上あること、ケガや病気の療養や教育費など会社が定めている利用目的に沿っていることなど、条件に該当することで借り入れを行うことができるものです。

 

自由な目的で借りることができるものではありませんし、融資までの時間がかかってしまう、給料からの天引きで返済をしなければならないなど人によってはデメリットもあり、もし万が一返済不能に陥ってしまった場合は社内での評価が下がる、昇進に影響するなどのデメリットもあります。

 

会社での貸付金制度はカードローンのような審査はなく、考え方によっては手軽に利用することができるのですが、カードローンを利用することができるのであれば、そちらを利用して最終手段として会社の貸付金制度を利用する方がよいのではないでしょうか。